content_title_1Ac.png

WestWomanWind (W3)の設立趣旨

年、少子高齢化社会が迫り、共働き家庭を前提とした政策的潮流により、男女の枠を超えたワークライフバランスが見直されつつある。しかし、保育所・保育士の不足や育児休暇取得の困難さ等、今なお働く女性の体力的・精神的負担は大きい。 働く女性の中で、研究職につく女性「女性研究者」は、研究者という職種自体が持つ特殊性のため、別の問題にも直面している。それは、数々のライフイベント(出産、育児、介護等)の間、それらをおろそかにすることなく、いかにして研究を継続的に、可能な限り積極的に、続けることができるかということである。これは、一部の大学・企業を除き、一般的なライフワークバランス政策では全くカバーされていない領域である。しかしながら、国際競争が激化する中、日本の技術力を維持・向上させ、次世代へ豊かな社会を引き継ぐためには女性研究者の確保が必須であり、そのための環境整備が喫緊の課題である。


こで、我々女性研究者らは、研究および人生の先駆者であるアドバイザーの協力を得、相互の研究に資する自助的ネットワークW3(ダブルキュービック)を設立した。職務である研究の遂行においては、情報収集・研究→外部発信→フィードバックのサイクルが重要であるが、現在の実情として家事・育児の多くを担う女性研究者は、研究時間が不足しがちである。また、情報収集や外部発信のためには学会に参加することが重要であるが、そのためには出張を伴うことが多く、特にライフイベント期の女性はその機会が限定されたものとなり、人脈形成の点でも不利になっている。本ネットワークを通して、情報発信・収集、人脈形成を行い、率直な意見交換により議論を深め、互いに補い合うことが設立の第一の目的である。また、本ネットワークは、次世代の女性研究者を育てることを重要な発展的課題と認識し、若い世代への啓蒙活動を積極的に行うものである。

活動目的

  • 女性研究者を取り巻く環境の問題点を互いに理解したうえで、研究環境向上のためのニーズを把握、その解決策を提案し、外部に発信する。
  • 情報交換・共同研究推進の場を設けることで、異分野連携による研究の質・量の向上を目指す。また同時に人脈形成の機会も提供し、相互の支援関係の構築を図る。
  • ネットワークグループを通じた活動の成果は、研究発表などにより可視化し・外部へ発信する。
  • はたらく女性のロールモデルのひとつとして”女性研究者”の提示をおこない、若い女性研究者の育成に貢献する。

活動内容

  • 女性研究者の交流の場(会議・講演会等)の企画開催。
  • メーリングリストによる情報交換。
  • 研究グループの立ち上げと研究結果の報告会の開催。
  • 大学等と連携した講演などによる、若い世代に対するローモデルの提示。

追記

 本W3設立にあたっては,故寺岡靖剛教授(九州大学)に多大なご支援ご教示を頂きました。本ネットワークの名称は,西日本発の女性研究者の活発な研究活動を願って,故寺岡靖剛先生が,西から吹く風(West Woman Wind)をモチーフに命名されたものです。故寺岡靖剛教授への追悼文を掲載しております。